先日、建設業労働災害防止協会(建災防)の一般建築物石綿含有建材調査者講習を受講し試験を受けて来た話を書きましたが、

無事合格してました!

ちなみに受講場所は新百合ヶ丘でした。

合格率や合格点等は不明なのですが、皆さんの話を総合するのに確実に何割かの人は落ちる模様。
そして講習聞く他に建災防の過去問をやってみた!という事も前回書いたのですが、
残念ながら何故か回答がどこを探しても無いので、
自分でテキストを調べて回答したものがありましたので合わせて載せてみたいと思います。

その前に石綿含有建材調査者の勉強としてはどこのテストをしてもいいのだと思いますが、
中災防なら中災防、日本環境衛生センターなら日本環境衛生センター、という感じで独自でテストを作っているのではないかと(あくまで推測)
ですから建災防で受講される方以外でどこまで太刀打ち出来るかは不明ですので、そのあたりはご了承ください。

個人で回答を調べたものなので何かおかしい点あれば、下のお問い合わせ欄から教えて頂けると嬉しいです。

ちなみに修了考査合格点は全体で60%、なおかつ各科目40%です。

科目1:建築物石綿含有建材調査者に関する基礎知識1 (配点:10点)

問1:「建築物石綿含有建材調査」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。

①国内では、1956(昭和31)年から、吹付け石綿が販売されていた。

②1975(昭和50)年に特定化学物質等障害予防規則の改正で、石綿を1重量パーセントを超えて含有する吹付け作業は原則禁止になった。

③2006(平成18)年には労働安全衛生法施行令が改正され、石綿を0.1重量パーセントを超えて含有する製品の製造等が禁止された。

④2005(平成17)年には、石綿障害予防規則が制定され、吹付け作業が全面禁止となった。

答え ②
1重量パーセント  ×
正しくは5重量パーセント

問2:「石綿の定義、種類、特性」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。

①石綿とは、自然界に存在する硫酸塩鉱物のうち繊維状を呈している物質の全ての総称である。

②石綿の特性として、引張りには弱いが、摩擦・摩耗には強い点がある。

③厚生労働省通達では、石綿を「繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト」と定義している。

④レベル1の石綿は、飛散性が低い石綿含有吹付け材であり、吹付け石綿などはこのカテゴリーに含まれない。

答え ③
①硫酸塩× けい酸塩〇
②引張りには弱い×
③ 〇
④飛散性が低い×

問3:「石綿による疾病、環境の石綿濃度」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。

①中皮腫は、他の疾患に比べ石綿ばく露との因果関係が非常に強いが、潜伏期間は短い。

②石綿粉じんの人体の吸入経路は、「1.鼻腔」→「2.咽頭」→「3.気管」→「4.気管支」→「5.細気管支」→「6.肺胞」である。

③中皮腫とは、中皮細胞の存在する胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘膜に発生する悪性腫瘍をいう。

④非喫煙者の肺がん死亡率は、非石綿ばく露労働者1.0に対し、石綿ばく露労働者は約5倍となっている。

答え ①
潜伏期間は長い

問4:「建築物と石綿関連疾患、気中石綿濃度、健康影響評価」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。

①日本において「吹付け石綿のある部屋・建物・倉庫等での作業(建設業以外)」に分類された石綿関連疾患の発症事例は、100名を超えていて、疾患としては、石綿肺が最も多い。
②中皮腫の死亡率は石綿ばく露量に比例し、肺がんの死亡率は石綿ばく露量だけでなく経過年数の影響が大きい。

③建築物に使用されている吹付け石綿の目視による劣化判定と、気中石綿濃度との間の相関性は明確ではない。

④複数の建物を調査する場合に、国土交通省が定めた建築物の石綿含有建材調査の優先度では、高齢者が長く滞在する建築物は優先順位が最も高い。

答え ③
① 中皮腫が最も多い
② 中皮腫は少ないばく露でも発症する
③ 〇
④ 若年者が長く滞在する建築物は優先順位が高い

科目2:建築物石綿含有建材調査者に関する基礎知識2 (配点:10点)

問1:「大気汚染防止法、建築基準法その他関係法令」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①大気汚染防止法の規制の対象作業は、石綿を飛散させる原因となる建築材料が使用されている建築物の解体、改修等が対象となる。

②事前調査は元請業者が行い、発注者に説明し、記録事項及び記録・説明書面の写しを保存しなければならない。

③大気汚染防止法では、石綿含有仕上塗材は特定建築材料に該当しない。

④大気汚染防止法では、建築物を解体する作業を伴う建設工事であって、当該作業の対象となる床面積の合計が80㎡以上であるものについては、調査結果の都道府県知事へ報告が義務付けられている。

答え ③
石綿含有仕上塗材は特定建築材料に該当する。

問2:「リスク・コミュニケーション」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①石綿繊維の飛散に起因する健康障害のリスクは、石綿含有建材の除去作業などを行う作業者にとどまらず、石綿が使用されている建物の一般的な利用者にも影響を及ぼす。

②リスク管理の6つのプロセスのうち「実施」において、リスク対策で重要な役割を果たす関係者を、意思決定過程に関与させることが重要である。

③リスク管理の6つのプロセスのうち「評価」の方法は、環境と健康のモニタリング、疫学調査、費用便益分析があるが、関係者との議論は含まれない。

④米国のリスク評価及びリスク管理に関する米国大統領・議会諮問委員会では、「リスク管理は、人間の健康や生態系へのリスクを減らすために必要な措置を確認し、評価し、選択し、実施に移すプロセスである。」と定義している。

答え ③
関係者との議論は含まれる

問3:「石綿含有建材調査者」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①石綿の含有状態の判断が困難な場合は、過去の同様の調査結果と照らし合わせて調査者の推測判断を行う。

②石綿含有建材調査者は、石綿に関する知識だけでなく、対策や工法にも精通しておくことが必要である。

③建築物の調査結果は、解体・改修工事の施工方法にのみに影響するが、その後の建築物の利活用の方法、不動産価値評価などには影響しない。

④調査においては、自らの石綿ばく露だけに注意することが必要である。

答え ②

問4:「事前調査の具体的手順の例」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①現地調査においては、「石綿含有」とみなすこともできる。

②事前調査は、現地調査を行わず、書面調査判定で調査を確定終了してもよい。

③現地調査において、書面調査結果と照合した結果、差異がある場合は、書面調査結果を優先する。

④現地調査で「石綿含有」とみなして判定した建材については、報告書にその旨を記載する必要はない。

答え ①

科目3:石綿含有建材の建築図面調査 (配点:35点)

問1:「建築一般」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①建築基準法では、建物利用者の生命及び安全の確保を図るため、建築物の防火規制を定めている。

②建築基準法において「壁及び構造上重要ではない間仕切り壁」は、建築物の主要構造部である。

③解体・改修時の事前調査では、建築一般の知識を頭に入れておくことは見落としを防いだり、建材の代表性を誤って判断することを防止することにつながるため、非常に重要である。

④建築基準法では、耐火建築物の階によって要求される耐火性能は同一である。

答え ③

問2:「建築一般」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①建築基準法において、「階段(構造上重要ではない局部的な小階段、屋外階段を除く)」は、建築物の主要構造部である。

②建築基準法第2条5号において「主要構造部」が建築物の防火上の観点から定められている。

③建築基準法において、「1時間耐火」とは、1時間の火熱を受けても構造部材が発火及び自燃しない性能をいう。

④ 建築基準法において、建築物の「階段」の要求耐火性能は、「30分間」である。

答え ③

問3:「建築設備」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①建築基準法上では、建築設備を「建築物に設ける電気、ガス、給水、換気、冷房、暖房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備または煙突、昇降機若しくは避雷針」と定義している。

②給排水設備では、ボイラー本体の断熱や配管エルボの保温に使われているが、ボイラー室の壁や天井には、吹付け石綿は使用されていない。

③レストランなどの厨房にグリーストラップがある場合は、所定の厚さ以上の鉄板やステンレス板により製作することが法で定められており、耐火被覆は必要ない。

④昇降機のシャフト(昇降路)に、鉄骨の耐火被覆のため吹付け石綿は施工されていない。

答え ①

問4:「石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①レベル1の石綿含有建材は施工方法や材料によって6種類に分類され、石綿含有吹付けロックウールの施工方法は、乾式吹付け工法のみである。

②スラブと外壁の間の層間部やカーテンウオールのファスナー部、ブレース部などの箇所に石綿繊維を結合剤と練り合わせたものを塗り付けていることがあり、厳密にはレベル1に該当せず、飛散性は無い。

③石綿含有吹付けロックウール(湿式)は比重が大きく硬いので、吸音(遮音ではない)を目的とした吹付け石綿には使用されていないと推測できる。

④石綿含有吹付けパーライトは、耐火被覆が必要とされる部位に使用されている。

答え ③

問5:「石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①レベル3の石綿含有建材が使われているのは、事業用の建築物だけである。

② レベル3の石綿含有建材の対象となる法律は、石綿則のみとなる。

③レベル3とされている石綿含有建材の特徴は、種類や品数がレベル1、2よりも非常に少ない。

④軽微な場合も含め、解体・改修工事に際しては、的確に石綿含有建材の使用状況などを調査し、含有していないことが確認された場合以外は、適切な飛散やばく露防止措置を講じ、発生する廃棄物を適正に処理することが求められる。

答え ④

問6:「石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①建築物の石綿含有建材調査は、”施工時期”又は、”それぞれの材料の製造時期”のいずれか一方を把握することが大切である。

②事前調査において石綿無しと判断するには、終期以降の製品も、メーカーから個別に証明証を取り寄せたり、分析により確認する。製品を確認できない場合は石綿含有とみなすか、分析により確認する。

③レベル3の石綿含有建材の製造時期は種類によってまったく違う。

④調査対象建築物の施工時期がわかってもレベル3の石綿含有建材を推定することはできない。

答え②

問7:「石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①石綿含有スラグせっこう板の大半の製品が、「不燃材料」の認定を受けており、火気を使用する部屋での使用が可能である。

②石綿含有パルプセメント板は、耐水性が低いので内装材として使われるが、外装材には使用されていない。

③石綿含有パーライト板は、主に、工場、倉庫、事務所などの内装材として壁材及び天井下地材に使用されている。

④石綿含有ビニル床タイルは、事務所、病院、公共施設などの床に多く使用されている。

答え ②

問8:「石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①「aマーク」は、石綿則改正に伴い義務化された表示で、平成元年に石綿含有率5重量パーセント超の製品を対象とし、法改正により、平成7年には石綿含有率1重量パーセント超に変更された。

②「aマーク」の表示は、通常は製品1枚に1か所なので「aマーク」があれば”石綿あり”といえるが、なくても”石綿無し”とはいえないことに注意する。

③レベル3の建材において、「無石綿」「無石綿製品」の表示があっても、その表示は製造時の法令による基準におけるものであり、現在の0.1重量パーセント基準では、それだけでは石綿無しとはいえない。

④石綿含有スレートボードには、フレキシブル板、平板、軟質板及び軟質フレキシブル板の4種類があるが、外見だけでは判別が非常に難しいため、調査においてはスレートボードとしてまとめてもよい。

答え ① aマークは義務ではなくメーカーが自主的に表示したもの

問9:「書面調査の実施要領」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①石綿調査の第1段階は、試料採取および分析からはじまる。

②書面調査は、既存の情報からできる限りの情報を得るとともに、現地調査の計画を立てるために行う。

③書面調査における情報の入手については、図面や図面以外の情報をできる限り入手し、所有者へのヒアリングなどを行う。

④設計図書や竣工図等の書面は、石綿等の使用状況に関する情報を網羅しているものではなく、また、必ずしも建築物の現状を現したものとは限らない。

答え ①

問10:「図面の種類と読み方」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①設計図書には、「仕様書」、「設計図」、「施工計画書」などがある。

②建築物を建設するにあたり、担当官庁(建築指導課・消防署など)に建築物を建てる許可を得るために「総合仮設計画申請書」や各申請書類などを提出する。この時の図面を総合仮設計画図と言う。

③施工図の内容は詳細事項が多いため、解説量が豊富で専門知識がなくても理解できる。

④図面からの情報は調査における補助的な位置づけであり、現地での確認状況を優先することは言うまでもない。

答え ④

問11:「図面の種類と読み方」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①複数回、建築物所有者が変わっている建築物の場合には、建築図面が紛失され、建築図面が入手できないことも多い。

②内部仕上表からは、特記仕様書の内装工事に記載されていた建材の使用箇所の詳細データが入手できる。

③立面図は、建築物の立面を記載しており、通常、4面1組で建築物の立面が記載されているが、外部仕上は記載されていない。

④配管電線類などが床貫通や区画貫通する場合、BCJ評定の工法が採用されていることがあり、これらの材料の中には石綿が含まれることもあり、それぞれのメーカーなどへのヒアリングも必要となる。

答え ③

問12:「図面の種類と読み方」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①調査に当たる際は、建築確認図などの設計図書を借用書を作成し、「建築物所者」から借用させてもらう。

②調査に当たる際は、建築確認図などの借用について、建築物所有者など関係者の許可は特に必要ない。

③建築図面などの借用時には、その使用目的と不要な部分の閲覧・複製をしない旨の説明は特に必要ない。

④建築図面などを借用する場合、複製であれば、使用後は返却しなくてもよい。

答え ①

問13:「石綿含有建材情報の入手方法」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①建材の石綿含有情報とは、石綿を意図的か非意図的かを問わず工場等で混入していたという情報である。

②石綿を含有する建材の最新情報については、国土交通省・経済産業省が公表している「石綿(アスベスト)含有建材データベース」を活用できる。

③国土交通省・経済産業省が公表している「石綿(アスベスト)含有建材データベース」は、公表されて以降、無断改変による混乱を避けるため更新されていない。

④国土交通省・経済産業省が公表している「石綿(アスベスト)含有建材データベース」は公認されたものであるため、データベースで検索した建材(商品)がないことを以て、石綿無しの証明となる。

答え ②

問14:「書面調査結果の整理」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①現地調査では、書面調査結果をもとに実際の現場で使用されている建材を確認し、分析が必要な試料の採取を行うこととなるため、書面調査結果は見やすく整理し、現地調査に持参する。

②書面調査結果の整理は、「1.石綿含有建材等の建材をリストアップし」、「2.動線計画を立てる」という2点を主な作業として行っていく。

③見落としを防ぐためには、各棟・各階ごとに記録を行うワークシートを使用することも有効である。

④建築図面が全くない場合は、現地調査に記録用紙を持参し、各階を目視の上、各階の概略平面図を作成する

答え ③ 正しくは「各室・各部位ごと」

科目4:現場調査の実際と留意点 (配点:35点)

問1:「現地調査の流れ」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①事前調査について、事前の計画や準備をせずに成り行きで行おうとすると、肝心な部位の調査漏れを生じたりして、再調査が必要となる可能性があるが、再調査を行うことで正確性が高まり、依頼者からの信頼をより得られる。

②石綿含有建材調査者は、改修や解体工事のための事前調査や建築物などの適正な維持管理のための建築物調査を担うこととなるが、調査の手法や装備などは調査の目的によらず同じである。

③改修や解体工事のための事前調査では、解体・改修等を行う全ての建材が対象であり、内装や下地等の内側等、外観からでは直接確認できない部分についても調査が必要である。

④石綿含有建材調査者は、事前調査をするにあたり、所有者からの情報は曖昧なものが多く時間が無駄になるので、打ち合わせを行う必要はなく、書面等からの情報だけで計画を立てることを心掛ける必要がある。

答え ③

問2:「事前準備」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①試料採取時に使用する呼吸用保護具は、取替え式防じんマスク(RS2又はRL2)と同等以上の性能を有するものとする。

②調査対象の現場が高所の時には、脚立などの足場を用いる。また、建材等を取り外す時には、バール、ハンマー、ベビーサンダーなどが必要となる。

③調査時の装備について、「点検」、「調査」、「巡視」などと表示された腕章を装着したり、名札を首から掛ける必要は特にない。

④事前調査は、高所であっても危険を伴う作業ではないので、墜落制止用器具を着装する必要はない。

答え ②

問3:「現地調査の実施要領」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①現地調査に臨む基本姿勢として、現場はさまざまな状況があり、動線計画を事前に立てても無駄になることが多く、効率的ではない。

②現地調査に臨む基本姿勢として、同一パターンの部屋が続いたり、上下階の往復を何回か繰り返えす必要がある場合でも、同一だからと調査対象の部屋を割愛したりしてはいけない。

③現地調査に臨む基本姿勢として、一部の天井や壁だけを目視して対象物の有無を判断してしまうような粗雑な調査をしてはならない。

④採取した試料の採取用密閉容器(チャック付きポリ袋)などに記載することになっている必要事項は、後からまとめて記載するのではなく、試料採取したその部屋で記入し、忘却や試料の混同を避けるようにする。

答え ①

問4:「現地調査の実施要領」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①機械室などの現状の仕上げが比較的新しく見えた場合は、間違いなく改修工事があったことの証なので、あえて、関係者等へのヒアリングで確かめる必要はない。

②関係者へのヒアリングを行う際には、調査対象の建築物のことは石綿含有建材調査者よりヒアリング相手のほうが詳しいので、相手の話を十分に聞いて否定しないこと。

③令和3年4月以降において、事前調査では、書面調査が十分に行うことができれば、必ずしも、現地調査は行わなくてもよい。

④石綿含有建材の使用の有無については、改修工事が行われた場合でも、設計図書等に必ず明記されている

答え ②

問5:「現地調査の実施要領」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①試料採取の注意事項として、採取する際には、飛散抑制剤等で湿潤する。

②試料採取の注意事項として、採取する際には室内を閉め切り、調査者のばく露を防止するため、換気扇を稼働させる。

③防じんマスクのフィルターは、調査対象建築物ごとに新しいものを取り替える。適切な防護服又は専用の作業衣を使用し、採取後にはHEPAフィルタ付き真空掃除機などで十分に付着した粉じんを除去した後、採取場所を離れる。

④適切な防護服又は専用の作業衣を使用し、採取後にはHEPAフィルタ付き真空掃除
機などで十分に付着した粉じんを除去した後、採取場所を離れる

答え ②

問6:「現地調査の実施要領」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①レベル1の吹付け材は、目視での石綿含有・無含有の判断は出来ない。過去の記録等で「石綿あり」とされている場合を除き、サンプリングを行い、分析を行う。ただし、「みなす」場合は分析は行わなくてよい。

②レベル1の吹付け材は、石綿使用禁止以前に着工した建築物については、当該吹付け材の施工時期のみをもって、石綿等が使用されていないと判定できる。

③レベル2の石綿含有建材のうち、けい酸カルシウム板第二種は「表示」により石綿含有の有無について判断できる場合はない。

④現地調査まで行っても石綿の有無が不明な場合、必ず分析を行わないと石綿含有と「みなす」ことはできない。

答え ①

問7:写真の建材の裏面から得られる情報①~④の記述のうち、不適切なものを選びなさい。

※写真転載できない為、写真は割愛させて頂きます。

①無石綿と表示されているので、現在の法律においても、「石綿は含有していない」と判断できる。

②アスノンという製品名は、メーカー名を調べる手がかりとなる。

③国土交通大臣認定不燃材料NM-8314は、メーカー名を調べる手がかりとなる。

④アスノンという製品名から、建材の一般名を調べる手がかりとなる。

答え ①

問8:「試料採取」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①書面調査及び現地調査等で、石綿含有の有無が明らかとならなかったものについては分析を行う必要がある。

②採取時における他の試料の混入を防止するため、採取箇所ごとに採取用具は洗浄し、手袋は使い捨てのものを使用する等、必要な措置を講じる。

③採取しようとする材料に別の材料が接着している場合は、その接着している材料は、剥離しないこと。

④試料を採取する建材が破損しやすく、剥離が困難な場合は、運搬時などに混ざってしまわないように注意するとともに、分析者に分析対象部分を明確に指定することが重要である。

答え ③

問9:「試料採取」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①採取試料は、あらかじめ調査計画段階で「建築物石綿含有建材調査者のみの考え方」で、仮決定しておくと、その後の調査が円滑に進められることも多い。

②吹付け材は、材料組成が「不均一」になっている可能性が高いので、試料採取は該当する吹付け面積を3等分し、各区分から1個ずつサンプルを採取する。

②吹付け材は、現場において、吹付け材料を対象物に吹付けて完成するが、完成したものは材料組成が「不均一」になっている可能性が極めて高い。

③吹付け材においては、施工年によっては、石綿含有のものと無石綿のものとが混在している時期がある。

答え ①

問10:「試料採取」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①既存建築物の改修工事および解体工事を実施する前に、既存仕上塗材層が石綿を含有しているか否かを確認しておく必要がある。

②設計図書や特記仕様書は仕上塗材の「一般名」が記載されていることが多く、実際に使用されている「製品名」を特定することは難しいので、分析により判定する。

③複層仕上塗材は下地への付着強度が高いので、下地と主材層との界面からきれいに剥離除去できない場合が多いと考えられる。このような場合は、主材層を部分的に破壊して採取することとなる。

④建築用仕上塗材の試料採取は、施工部位の2箇所から1箇所当たり100平方センチメートル程度を目安に試料を採取する。

答え ④

問11:「試料採取」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①採取してきた分析試料は整理し、それぞれの分析試料の袋に、試料番号と部屋名、部位、建材製品名、採取年月日が正しく記入されているかを確認する。

②採取した試料を分析機関に提出する際は、試料採取者と整理する者を分け、分業して実施するほうが効率がよい。

③分析依頼書は、各分析方法で共通に使えるように、試料採取者、試料送付者、試料受取者、分析者までの個人名および実施日時が入る欄を設け、分析試料の受渡及び保管の責任を明確にして、各当事者が記入する。

④分析依頼書には分析結果報告書の要求部数、分析方法の指定、速報の受領方法など希望事項を記載する。

答え ②

問12:「現地調査の記録方法」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①現地調査の記録方法のポイントは、現場で、「①迅速・簡易に情報を記入できるもの」、「②調査箇所に漏れがないことを確認しやすいもの」の2点が挙げられるが、「調査・判断の流れに沿って記入しやすいもの」とする必要はない。

②現地での調査写真撮影は、報告書を作成する石綿含有建材調査者とは別の者に行わせなければならない。

③調査の記録について、調査する部屋が多いときは、記憶違いや記載ミスをなくすため、各部屋の調査が終了するごとに調査メモを作成する。

④石綿含有建材の判定は、「劣化」または「劣化なし(劣化が見られない)」という2局化した分類のみであり、その中間に該当する抽象的な判定を行わない。

答え ③

問13:「建材の石綿分析」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①石綿等の使用の有無を分析により調査するとは、「石綿等がその重量の0.1%を超えて含有するか否か」について分析を行うものである。

②事前調査に係る採取試料中の石綿分析方法としては、石綿含有の有無と種類についての「定量分析方法」と、石綿がどの程度含まれているかを分析する「定性分析方法」がある。

③石綿分析の流れは、まず定量分析を行い、石綿含有率を調査した後、定性分析で石綿の種類を確定させる。

④アスベスト分析マニュアルでは、定性分析方法1は、「電子顕微鏡」と「偏光顕微鏡」により定性分析する方法である。

答え ①

問14:「調査票の下書きと分析結果チェック」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①分析結果のチェックにおいて、送付した「試料採取場所」や「試料部位」と分析結果報告書の記載については確認する必要はない。

②二層吹きの吹付け材の場合、結果に疑問や違和感はないかを確認する。

③ 定性分析方法1の結果の場合、層別の区分や結果に疑問や違和感がないかを確認する。

④ 定性分析方法1の結果の場合、非アスベスト繊維が何か特定しているかを確認する。

答え ①

科目5:建築物石綿含有建材報告書の作成 (配点:10点)

問1:「現地調査総括票の記入」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。

①今回調査箇所欄における棟・階は、多くの建築物は独立した1棟であるが、複数棟ある場合(〇〇棟)には、別紙に棟別に整理し追加してもよい。

②今回調査箇所欄における外部は、外階段や外壁等の建築物の外部について記載する。外部欄には調査を行った場所を記載する。

③今回調査箇所欄における部位は、梁・柱など建築一般呼称でよい。採取した位置を指しているのではなく、石綿含有可能性材があった部位の全部を示している。

④今回調査できなかった箇所欄において、部屋への立ち入りができず検体採取ができなかった、機械類を撤去した後でなければ試料採取ができない、その他、構造上・立地条件等の問題で試料採取が不可能な箇所については、その概要を簡単に記載するとよい。

答え ④

問2:「現地調査個票の記入」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①現地調査個別票は部屋別の作成を基本とするが、小規模の建築物などではフロアごとの作成も可とされる。

②外観の記入では、定礎があれば、その刻印された内容についてメモをとるが、写真を撮るまでの必要はない。

③外観の記入においては、外壁の構造の種別に違いはないため、建築物正面側の化粧仕上に注視すればよい。

④写真集の作成にあたっては、石綿含有建材調査者以外に補助員を用意し、撮影させることで、様々な構図や異なる視点が得られる。

答え ①

問3:「調査報告書の作成」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
①試料を分析機関に送付したら、現地調査個票を作成するが、少しの記憶が残っていれば、調査日から日数が経過してから作成してもよい。

②現地調査個票は調査した「部位」の順番に作成すること。順番を変えるとストーリー性がなくなり、間違いの元になる。

③分析機関から、結果速報や石綿分析結果報告書を入手した結果、石綿含有建材調査者の目視結果と結果報告が乖離していたり、あり得ない結果だったなど、少しでも疑義があった場合は、分析機関に問い合わせ、原因を把握することが重要である。

④石綿含有建材の事前調査結果は、石綿を含有しない建材については、報告する必要はない。

答え ③

問4:「所有者等への報告」に関する①~④の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

①建築物の所有者等へ調査報告書には、現地調査総括票、現地調査個票、石綿分析結果報告書、その他添付資料が含まれる。

②報告に当たっては、建築物における石綿の健康影響に関する基礎知識、リスクコミュニケーションの知識とその実施に関する技術などを踏まえ、建築物の所有者等の利益を優先してアドバイスすることが重要である。

③建築物の所有者等は、建築物の解体・改修を行う場合、守秘義務があるため、施工者に調査報告書を開示できない。

④建築物等の所有者は、石綿飛散防止対策に責務を有していることから、解体・改修工事や石綿の除去までは記録を保存するが、その後は廃棄してもかまわない。

答え ①

令和3年の修了考査問題を受けてみて

この問題は建災防で発表している令和2年度分ですが、私が受けた令和3年度試験のほうが私は難しいと感じました。
しかしこの問題をやっておけば合格は可能かな?と、いうレベルではありました。
建築基準法とかリサイクル法、顕微鏡の種類とか、なかなか細かい数字や種類も出てきたので満点は難しいと思います。

テストを受けられる方はテキストを持っておられるとよろしいかと思います。
2024/3/15現在楽天が最安でありました。

またこちらは読みましたが試験上もですが、実務でも知っておくと役立ちます。


どうしても合格しなければならない方の一助になれば幸いです。